ここでは職業訓練の申し込みに必要な「志望動機・志望理由」をどのように書けば合格に近づけるのかを例を交えて紹介していきます。
申込書の志望欄に何を書けば合格できるのでしょうか?
「自分本位の考え」で書いては合格が難しくなることがあります。
職業訓練校の入校選考はさまざまです。
申込書選考、面接選考、筆記検査、適性検査などがあり、これらを総合的に判断し合否を決めていきます。
職業訓練に応募する際に必ず必要なのが「受講申込書」です。
公共職業訓練を受ける場合にも、求職者支援訓練を受ける場合でも必要になります。
選考方法が「申込書選考のみ」という職業訓練コースも少なくありません。
その場合、申込書だけの判断になりますので、よりその中身に書き方が重要になってきます。
実際に東京都の公共職業訓練(離職者向け再就職訓練)は申込書だけでの選考です。
面接もなければ、筆記試験もありません。全て受講申込書だけでの選考です。
(参考例:東京都の公共職業訓練)
申込書の中で記入しなければならない項目は大体決まっています。
・志望理由・志望動機
・就職活動状況
・希望就職時期
・希望職種、雇用形態
・学歴、職歴、資格
これらについて1つずつ解説していきます。
■目次
志望理由・志望動機の書き方
申込書で一番大切な項目が「志望理由・志望動機」です。
これは職業訓練校の人が、「どのような人に来てほしいのか」を念頭に置きながら書く必要があります。
決して自分本位の書き方ではいけません。
貴方が職業訓練に通いたいのと同様に、職業訓練校側では「真剣に就職を考えている方」にきてもらいたいからです。
そのためには、以下4つのことを意識して書く必要があります。
1.今後希望する仕事と、応募する職業訓練コースがマッチしているのか
2.就職意欲はあるのか、就職できそうか
3.なぜ職業訓練なのか、本当に受ける必要があるのか
4.どのようなことを学びたいのか
全て盛込んだ内容を書きたいところですが、どの受講申込書もおよそ200~300文字分しか書き込むスペースがありません。この文字数の中でいかにアピールできるかが鍵となります。
特に大事なのが就職意欲。志望動機には「なるべく早く就職したい」という文言を入れましょう。
「職業訓練になぜ通う必要があるのか」その理由も大切です。
志望理由の悪い例
【悪い例1】
簿記の資格に興味があり応募しました。よろしくお願いします。
【悪い例2】
家族に勧められて申込みしました。簿記はまったく初めてで不安ですが頑張りたいと思います。
将来は事務職を希望しています。
【悪い例3】
自分には何が向いているのか正直わかりません。ですがCADをマスターすれば今後の就職活動に役に立つのでは思い応募しました。
訓練で学ぶことで方向性を決めることができればと考えています。
【悪い例4】
お花を扱うことが大好きで、お花についてもっと知りたい、もっと勉強したいと思っていたところ、貴校の職業訓練を紹介して頂きました。
真面目にしっかりと学びたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願い致します。
上記の例のように、実際このように書かれている志望理由は少なくありません。
まず、1、2行で終わるような短い内容では熱意が感じられません。安易に職業訓練を考えている人だと思われてしまいます。
人から勧められて応募するという内容も、本人のやる気を感じられません。
例3の「自分の正直な気持ち」を伝えるのは構いませんが、ただそのまま書いて良いわけではありません。
例4の場合、職業訓練は習い事ではありません。花が好きだという理由だけで仕事に就けません。
志望理由の参考例
【参考1】
私は経理職を目指しています。ですが経験も資格もないため、未だ就職には繋がっておりません。簿記の資格を取るために独学で勉強もしているのですが、やはり1人では難しいと感じています。本コースの内容は、ただ資格を取るだけでなく実務に対しても十分に時間をかけた内容になっており、実際に仕事に就いてからもとても役に立つのではと感じています。まずは次の11月の試験で簿記の資格を取り、なるべく早く就職して活躍できる人材になれるよう頑張っていきたいと思います。
【参考2】
私は今までパソコンを使った仕事をしてこなかったのですが、求職活動を行う度にパソコンの必要性を感じてきました。面接の際に「パソコンができないとこの仕事は難しい」と言われ、何度も悔しい思いをしてきました。家にはパソコンがなく金銭的にも余裕がないため自分で勉強するのも難しい状況です。貴校では基礎から学べることを知り、今度こそはという思いでパソコンを学び、就職に繋げていきたいと思っています。
※こちらのページも是非参考にしてください。
・職業訓練に合格する志望動機の書き方 大事なのは3つのポイント
その他の項目
志望理由以外にも大事な項目があります。
就職活動状況
就職活動状況では今現在どのような就職活動をしているかを記入する項目です。
どのくらいの熱心さで就職活動をおこなっているかを見られます。
まだ在職中の方や、就職活動を始めたばかりの方は、そのままの内容を書けば良いでしょう。
既に応募している方や、面接を受けている方はその事実を書きましょう。
何もまだ就職活動をしていない場合は、インターネットや求人誌などで仕事を探していることや、資格取得の勉強をしている旨記入しましょう。
何もしていないでは、就職意欲を疑われてしまいます。
希望就職時期、希望職種、雇用形態
いつ頃、再就職を希望しているかを書く箇所です。
訓練終了後すぐに就職を希望していれば「訓練終了後すぐ」と書けばよいですし、「なるべく早期に就職希望」としても構いません。
職業訓練校は「訓練終了後3ヶ月以内での就職」を目標と掲げ指導しています。
職業訓練校としては職業訓練終了後3ヶ月の就職率で国や都道府県より評価されるからです。
希望職種は、もちろん希望するコースにあった職種を記入します。
雇用形態は「正社員」「フルタイム」「パート」等を記入します。
「関連する仕事に就ければこだわりません」という書き方もあります。
学歴、職歴、資格
学歴、職歴はなるべく細かく記入しましょう。
資格欄は全て書く必要はありません。
すべての資格を細かく書いてくる人もいますが、古いものや希望コースに関係ないものはあえて書かなくても良いでしょう。
※学歴や職歴、資格等の個人情報を、職業訓練校はわざわざ調べたりはしません。
丁寧に書くこと、キレイな写真を使うこと
志望理由や志望動機ももちろん大事なのですが、それ以外にも心がけなければならないものがあります。
それは以下の2点です。
「丁寧に書く」
「キレイな写真使う」
この2つが出来ていれば、第一印象で良い印象を与えられます。
履歴書もそうですが、まず申込書を見た時に最初に目がいくのが写真です。
そこで「感じの良さそうな人」なのか「気難しい人」なのか、さまざまな印象を受け取ります。
ここで印象が良ければ、その先は印象が良いまま読まれていきます。
ここで「シワが入った写真」や「汚れている写真」、「曲がっている写真」などを使用していたら論外です。できるだけ印象の良い写真を使いましょう。
丁寧に書くことも大切です。
字が汚くてもかまいませんので、文章は横にまっすぐに書く。文字の大きさは統一する。細かいようですが、これだけで印象が変わります。
また修正液や二重線もなるべくなら使わないほうが良いでしょう。そのためにはしっかりと下書きをした上で転写していきましょう。
まとめ
長々と申込書の書き方について説明してきました。
おおよそのところは理解して頂けたのではないでしょうか。
職業訓練コースによって、いくら頑張って書いても合格しづらいコースもあります。
若者向け、男性向け、女性向け、それぞれ偏りがあるコースが存在するからです。。
その場合は仕方ありません。自分が悪いわけではないのですから。
職業訓練の応募者は年々減少傾向にあります。リーマンショックの頃は応募倍率が3倍から5倍は当たり前でした。今は多くても2倍程度です。
応募状況は運次第になりますが、自分が出来ることはしっかりとやる。
後は結果を待つのみです。