民間のパソコン教室に通う場合は、月々の月謝が必要です。ですが職業訓練なら無料でパソコンを学ぶことができます。
ここでは職業訓練でパソコンを学ぶ際のメリットとデメリット、また民間のパソコン教室に通う場合のメリットとデメリットをそれぞれまとめてみました。
職業訓練の魅力は無料で学ぶことができることですが、前提として失業していなければ受講することができません。あくまでも失業者が就職しやすくするための制度だからです。また失業保険(失業給付)や職業訓練受講給付金月10万円(条件あり)を受け取りながら通うことも可能です。
民間の教室の場合お金はかかりますが、学べる種類が多かったり、毎日通わなければならないなどの時間に縛られないメリットがあります。
それでは詳しく見ていきます。
■目次
職業訓練のメリット・デメリット
職業訓練のメリット
無料で通うことができる
職業訓練のパソコン教室の場合は、受講料は無料です。かかる費用は教科書代だけです。
民間のパソコン教室の場合だと1時間で1000円から3000円くらいかかります。
ほとんどのコースで月100時間くらいのカリキュラムがあるので、費用対効果は抜群と言っていいでしょう。
失業保険や給付金をもらいながら通うことができる
ハローワークより手続き(受講指示)を受けて公共職業訓練に通う場合、受講料が無料な上に失業保険も受け取りながら学校に通うことができます。また交通費も支給されます。また職業訓練中に失業保険が終了する場合でも、訓練終了するまで延長されます。ここが一番のメリットです。
長く職に就いていない方やパート勤務などで失業保険が受けられない方向けに求職者支援制度があります。これは職業訓練と給付金のセットの制度で月10万円の手当と交通費が支給されます。条件があり誰でも給付を受けられるわけではないのですが、職業訓練自体は無料で受講できます。
初心者でも問題ない
「パソコンをほとんど触ったことがないけど大丈夫ですか?」との質問が多くありますが、職業訓練コースのカリキュラムは初心者向けに作られています。
本人に学びたいという意欲があれば大丈夫、問題ありません。
逆に物足りないと思う方もいます。実際に受講内容をしっかり確認する必要があります。
さまざまな世代の仲間ができる
学校形式で、平日毎日(10時~17時など)職業訓練校に通います。最大30人の生徒と一緒に学んでいきます。
そこは老若男女、世代もバラバラです。10代から70代の方までの方が通っていますので、さまざまな人と幅広いコミュニケーションを取ることができます。
就職支援を受けることができる
職業訓練の一番の目的は就職です。パソコンの知識を身に付けて就職を目指します。
そのため、就職支援にはかなりの時間を割いています。その中には応募書類の作成支援や面接対策なども含まれます。職業訓練校によっては仕事の紹介をしてもらえるところもあります。
パソコンの資格が取れる
職業訓練のパソコン教室に通えば、ほぼ100%の人が資格を取得しています。一番多い資格がマイクロソフトオフィスペシャリスト(略してMOS)です
毎月1,2回は試験を行なっているので比較的取りやすいパソコンの資格になります。特にワードやエクセルが有名で、履歴書の資格欄にも書いてアピールすることができます。
職業訓練のデメリット
毎月開講されているわけではなく、近くにあるとも限らない
職業訓練に通う場合は、まず通える範囲でパソコンコースが開講していなければなりません。東京都などでは毎月パソコンコースは開講されていますが、地方によっては毎月開講されていないこともあります。いくらパソコンを学びたくても近くになければどうしようもありません。
選考試験がある、すぐに受講できない
職業訓練に応募する場合は、申込書選考、面接、筆記試験などの選考試験があります。この選考試験に合格しないと通うことができません。そして実際の申込から職業訓練が始まるまでは2ヶ月ほどかかる場合もありますので、明日からすぐにパソコンを学ぶということができません。
休みにくい。基本は全てのカリキュラムに参加する必要がある
職業訓練は学校形式です。毎日通える方が対象とされています。
基本は平日毎日7時間程通わなければなりません。
毎日参加が基本なので休みづらいのが欠点です。全日程の出席率8割を下回ってしまうと指導が入り、場合によっては退校処分になります。
数日の休みは問題ないですが、突発的に何日も休まなければならない場合は難しいでしょう。
パソコン教室メリット・デメリット
パソコン教室のメリット
いつでもパソコンの勉強が始められる
民間のパソコン教室は職業訓練よりも多く営業しています。
ほとんどのパソコン教室が予約制であり、自分の都合が良い時間に始めることができます。昼間でもいいですし、夜でも可能です。すぐに始めたい場合はパソコン教室のほうがよいでしょう。お子さんや介護人がいる方などは特に時間が融通できるのはメリットとなるでしょう。
学べる内容(コース)が多い
職業訓練のパソコンコースは、主にエクセル、ワード、パワーポイントがメインです。
それに加えてパソコン教室の場合、種類が豊富です。
さらに初心者コースや上級者コースなど自分のレベルに合わせて学ぶことができます。
ワード、エクセル、パワーポイントはもちろんのこと、
- アクセス
- スマートフォンやiphoneの使い方
- 年賀状ソフト
- 写真編集、動画編集
- SNS(ツイッター、フェイスブック、LINE)
- ブログ、ホームページ作成
などもあります。
また、Windowsだけではなく、Mac(マッキントッシュ)も学ぶことができたり、自宅で使っているノートパソコンを持ち込んで学ぶこともできます。
カリキュラムに縛られず、自分がやりたい興味があることだけを学ぶことができます。
マンツーマンレッスンがある
職業訓練校は約15人にひとり先生がつきます。そのためマンツーマンで教えてくれたりなどはなかなかできません。
パソコン教室であれば、少人数からマンツーマンまで対応が可能です。
職業訓練も場合は決められたカリキュラム通りに進むので、場合によっては遅れがちになります。パソコン教室の場合はその方のレベルにあった進み方をしますので、周りを気にすることはありません。
わからないことがあればすぐに質問することができるので、授業に遅れるようなことはありません。
パソコン教室のデメリット
お金がかかる
パソコン教室の唯一のデメリットが「お金がかかる」ことです。おおよそ1時間に1000円から3000円程かかります。職業訓練が無料のことを考えると高額ですで、これは仕方ありません。
また全国の商工会議所などでは安い金額でパソコン教室を行なっています。説明会なども随時行っているようなのでおすすめです。週1回50分の内容で、およそ月に5000円ほどです。
記事まとめ
職業訓練のメリット・デメリット、パソコン教室のメリット・デメリットをそれぞれ見てきました。
どちらも一長一短ありますが、自由な時間があり失業保険や給付金を受けられる方は職業訓練を選び、そうでなければパソコン教室をおすすめします。
民間のパソコン教室も以前に較べてだいぶ気軽に学べるような値段にもなってきました。
ただ、パソコンを既にお持ちであれば、まずは独学で始めても良いかもしれません。
今はオールカラーで初心者向けのパソコンの本も多く出ています。これらを1冊読むだけで大分変わるのではないでしょうか。それでも難しいようであればパソコン教室に通うことも良いかもしれません。
今はスマートフォンが主流で、パソコンはもう必要ないと言われています。若い方も以前ほどは使わなくなっています。
ですが、ほとんどの仕事ではパソコンを使いますし、パソコンが出来ないと仕事の幅が狭まります。
ハローワークの求人等を見てみると、多くの求人で「パソコンが出来る方」と条件が出ています。
一見関係なさそうな、警備や清掃の仕事でもタイムシートや日報などの報告はパソコンを使ったりしています。
パソコンが使えることで、趣味の世界でも仕事の世界でもどんどん出来ることが広がっていくのです。