ここでは40代、50代におすすめの職業訓練コースを紹介します。
40代、50代で職業訓練コースを検討されているということは、今まで経験してこなかった仕事をしたいと考えているからではないでしょうか。
職業訓練には年齢制限がありません。
就きたい仕事に関連する職業訓練であれば、誰でも申し込むことができます。
ですが、職業訓練コースによっては、年齢や性別で当然ながら不向きなコースもあります。
そして職業訓練の種類は限られています。すべての職業を網羅しているわけではありません。
その中でも40代、50代でも就職に有利な職業訓練はあるのでしょうか?
ここでは40歳以降でも就職の可能性が高い職業訓練コースを挙げていきます。
■目次
40代以降のおすすめな職業訓練
- パソコン(ワード、エクセル)
- 造園、グリーンエクステリア、造園土木
- 日本語教師
- ビル設備、ビル管理
- キャリアコンサルタント、キャリアサポーター
- 保育士(保育士養成)
- 介護
ここで一つずつ説明します。
パソコン(ワード、エクセル)の職業訓練
パソコンを不得意に感じているのであれば、パソコン(ワード、エクセル)のコースがおすすめです。
パソコンを学ぶコースではWord、Excelを中心に、パソコンの周辺機器、インターネットの仕組み、セキュリティを勉強することができます。
仕事をする上でパソコンのスキルは必須です。また、受講している方の多くは中高年です。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の資格を取ることで、パソコンが出来ることをアピールできます。
パソコンのコースに通った方は、ほぼ全ての方がMOSの資格を取得しています。
造園、グリーンエクステリア、造園土木
造園の仕事は、個人宅の庭園造りだけではなく、街路樹や公共施設の緑地、公園など土木工事の関連業務、他にもゴルフ場の管理業務など幅広い仕事があります。
定年退職後の第二の人生として、植木の維持管理などの仕事に就く人も増えています。
若い方の成り手が少ないのがこの業界。中高年でも需要はありますが、屋外の仕事が多く寒暖差もあり体力的にもきつい仕事です。
受講生の多くが中高年の男性です。
・造園、グリーンエクステリア、造園土木施工等の職業訓練、資格
日本語教師(日本語講師)
日本語教師は人気のコースの1つです。
外国人を対象に日本語で日本語を教える仕事です。
いかに日本語の意味をわかりやすく伝えるかを学んでいきます。
そのためには日本のことや日本語を正しく理解しなければならないし、わかりやすく伝えるテクニックも必要です。
講座自体が420時間以上もあり、文化庁が示した「日本語教師養成のための標準的な教育」方針に沿った講座です。
人生経験豊富な中高年だからこそ、やりがいを感じる仕事ではないでしょうか。
・日本語教師の職業訓練(日本語教師養成講座420時間)について
ビル設備、ビル管理
主に男性向けの仕事になります。
オフィスビルや店舗ビルなどにおいて電力設備、空調設備、給排水設備等の運転や調整、管理を行う仕事です。
中高年齢者や異業種からの転職でも、高い就職率を維持しています。
受講生の平均年齢は40代です(9割以上は未経験者)。
第二種電気工事士、危険物取扱乙種4類、2級ボイラー技士、第三種冷凍機械管理者、消防設備士乙種第4類等の資格取得が可能。
これらの資格と経験を積むことで定年に関係なく(70代でも)仕事をすることができます。
キャリアコンサルタント、キャリアサポーター
キャリアコンサルタントを目指すコースです。
採用や人事の経験があるのが好ましい。ロールプレイを繰り返しながら、傾聴スキルやメンタルヘルスを学びます。
キャリア・コンサルタントとしての仕事の場は限られていますが、就職に苦しんでいる人の役に立てるやりがいのある仕事と言えるでしょう。
「ハローワーク」などの公的機関や「人材紹介会社」などが活躍の場になります。
若い人よりは、より人生経験豊富な40代、50代に適した仕事です。
・キャリアコンサルタント、キャリアサポーター養成の職業訓練と資格
保育士(保育士養成)
女性向けの職業訓練です。
保育士の職業訓練は2年間、保育士養成は3ヵ月のコースがメインです。
2年間の職業訓練の場合は、「受講指示」の方が対象ですが、受講料も安く失業保険も2年間の延長を受けながら通うことができます。
・保育士と介護福祉士。職業訓練で資格をとるなら500万円以上も得になります。
今、保育士は不足しています。
待機児童の問題や保育士不足が世間で騒がれていますが、保育士自身の待遇が悪いのも原因の一つ。
ですが今後は国からの補助金などで待遇改善が見込まれています。
介護
介護される側は年々増えていますが、介護する側は年中人手不足です。
人手不足のためにハードワークになり、それが退職に繋がって悪循環に陥っています。
特に女性であれば引っ張りだこの世界。
介護は向き不向きがあります。介護体験などもありますし、介護についての説明会等の参加をおすすめします。
勤務先としては特養、有料老人ホームなどの施設やデイサービス、グループホーム、病院、訪問介護、障害者施設などさまざまです。
40代、50代に求められているもの
転職の際に40代、50代に一番求められているものが「豊富な仕事経験と人生経験」です。
同業種、動職種に転職を希望する場合は、尚更求められるもの。
未経験の仕事に就く場合も、今までの経験は大きなプラスとなります。
今までとはまったく異なる仕事に就く場合でも、今まで培った経験やノウハウは必ず何かの役に立つはずです。
さいごに
転職フェアにいっても、若い来場者が多いことに驚きます。
それだけ40代、50代の転職者は少ないということです。
採用する側は若い人を採用したい。
体力もありますし、何より素直です。同じ未経験であれば若い方を採用するのは当然のこと。
【若い人を採用するメリット】
・低ポジションで給与は安くすむ
・指示しやすい(年上には指示しにくい)
・新しい環境になじみやすい
・体力がある(こき使える)
これだけの悪条件の下で中高年は就職活動を行わなければなりません。
パートタイムでは別ですが、正社員を希望する場合よほど高度なスキルや経験がなければ採用は難しい。
人材紹介会社からも年齢だけで判断されてしまいます。
就職に関しては「職業訓練を受講してもすぐには決まらない」と覚悟しておきましょう。
ですが40代でも50代でも、職業訓練に通った後に就職していく人はたくさんいます。
これは私が実際に見てきたことなので間違いありません。
ただし、今までの給与水準、役職などは捨てることになります。
40代、50代と言えども新しい会社に入れば新入社員。年下も大勢いる中で働かなければなりません。
今までの役職も当然捨てなければなりません。そのためにはある程度の覚悟が必要です。
年金が受け取れるのは65歳、定年退職も65歳が増えています。それ以降も場合によっては働かなければなりません。今50歳であっても、まだ15年以上あります。
キャリアチェンジを考えている場合は、なるべく早い再スタートが必要です。
厳しいことを書きましたが、幸いなことに今は人手不足の時代。
求人倍率も1倍を超えていますし、多くを望まなければ仕事はあります。
活躍できる時間はまだまだたくさんあります。
職業訓練をひとつの選択肢として、次へのステップの糧として挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。
多くのことを求めすぎなければ良い結果が訪れると信じています。