60代でも職業訓練に通うことはできますか?
働く意思があれば年齢は関係ありません。もちろん通うこともできますし、実際に多くの60代の方が職業訓練に通われています。
ただ訓練コース選びは慎重にならないといけません。
たとえば警備や清掃などの仕事に就きたい場合、採用にあたって特別な知識や技能は求められませんので、職業訓練を受ける必要性は高くありません。
就職してから勤務先で研修を受けたり基本的な知識や技術がマスターできるのならば、わざわざ何か月も訓練を受けるのは時間の無駄です。
また今までの経験を活かせるような職業訓練コースであれば理想的ですが、どのコースでも良いというわけではありません。
シニア層の求人ニーズがほとんどない科目も避けた方が賢明です。特にITやWEB関連は若い方が多いですし、実際に求人を見ても若い方を中心に募集しています。
60歳を超えていても職業訓練は受講できます
職業訓練の多くのコースでは年齢制限がありません。一部に若年者向けのコースがあったり、逆に中高年の方向けのコースなどはあります。他にも女性向けや非正規雇用が長い人向けの職業訓練コースもあります。
年齢は関係ありませんが、職業訓練の目的はあくまで就職です。職業訓練とは就職するために必要なスキルを身につける場所です。
なのでカルチャースクールのような趣味や興味があるからと言って通うものではないのです。
そこを意識していないと、ハローワークで申込を受け付けてくれません。職業訓練の選考にも当然不合格となるでしょう。
職業訓練は制度上、大きく2つに分かれている
職業訓練には大きく「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2つの制度があります。
公共職業訓練は雇用保険の受給資格がある方(失業保険が受け取れる方向け)
求職者支援訓練は雇用保険が受けられない方向け(失業保険が受けられない方向け)
実際はどちらにも申込むことは出来るのですが、入校選考に対する優先順位が下がったりします。
また失業保険がある方は失業保険の延長や、失業保険ない方で一定の要件がある方は職業訓練受講給付金の支給を受けることもできます。
詳しくは以下のページをご覧ください
・公共職業訓練について
・求職者支援制度について
特に求職者支援訓練は定員割れや定員ギリギリのコースが多くあります。そういう意味では合格しやすいと言えるでしょう。
60代以上はどのコースがオススメか
地域にもよりますが、職業訓練はさまざまなコース内容があります。
その中で60代でも就職しやすいコースをいくつか上げてみました。
・パソコン
・介護
・ビルメンテナンス
・ビル管理
・マンション管理
・造園
・キャリアコンサルタント
・日本語教師
・インテリア・サービス(リフォーム)
パソコンはどの仕事をするにしても必要なスキルです。特にキータイピングのスピードが求められますし、ワード、エクセルも使えたほうが良いでしょう。
介護の現場では今でも人手不足が続いています。職業訓練を受講すれば介護の資格を取ることができます。(介護職員初任者研修。昔のヘルパー2級)。
ただ、施設などで働く場合は夜勤もあります。体力も必要ですし、仕事柄向き不向きがあります。
実際の現場は女性が多いのも特徴です。男性で希望する場合は送迎ドライバーも兼務で求められることも多いでしょう。
ビル管理等は、比較的体力が必要ではない仕事です。その代わり資格を取ることが必須になります。
ビルメン4点セットと言われる、第二種電気工事士、危険物取扱者乙種4類、2級ボイラー技士、第3種冷凍機械責任者等です。
資格さえ取得していれば、仕事の幅も広がるでしょう。
キャリコンや日本語教師は比較的人気があるコースです。特に日本語教師は高年齢者に人気があります。
若い方よりも人生経験豊富な中高年の方がマッチするコースと言えるでしょう。
よくWEBデザインをやりたいという方もいらっしゃいます。自宅で仕事ができることが主な理由です。
ですが実際はプロになるまでは相当時間がかかりますし、今やWEB制作も過当競争の時代。
単価がやすくスピードも求められるため、2日、3日徹夜するくらいの体力がないと難しい仕事なのでオススメしません。
さいごに
東京都の場合は、高年齢者向けのコースが設定されています。高年齢者とは50歳以上の方を対象にした訓練です。
そこでのコースは以下の通りです。
・庭園管理
・ビル管理
・設備保全
・電気設備管理
・電気設備保全
・ホテル・レストランサービス
・クリーンスタッフ
・生活支援サービス(訪問介護)
・マンション維持管理
・施設警備
上記のコースについては高年齢者であっても比較的就職しやすい職業訓練といえるでしょう。
(高年齢者コースを設けてるくらいですから)
職業訓練の訓練期間は主に約3ヶ月~6ヶ月が中心です。これだけ長く学校に通うということはあまりないのではないでしょうか。
自身の仕事の幅を広げたり、新しいスキルを身に付けるために職業訓練を利用するのも良いのかもしれません。
今後の日本は人口減少が続いています。仕事人口も減少しているなか、まだまだ60代以上の人材も求められています。