役に立つ就職活動

就職しやすい職業、就職しにくい職業一覧

2017年9月12日

厚生労働省の職業安定業務統計(2017年6月)を元に「就職しやすい職業」は何か、逆に「就職しにくい職業」は何かを紹介します。更に今人気のある職業(求められている職業)についても紹介します。

今日本で雇用は比較的安定していると言われています。
2017年7月の有効求人倍率は1.52倍となっており、1人に対して仕事の求人が約1.52倍失業率も2.8%で過去最低レベルで推移しています。

失業率も低く求人数も多い。この状況は、はたして喜ばしいことなのでしょうか?

それについては「希望している仕事に対して」求人が多く出ていなければ意味がありません

今どのような仕事が多いのか、自分が希望している仕事はどうなのか、また難易度は?これらのことが以下の表を見ればある程度把握できるかと思います。

 ※以下のデータを元に算出
・厚生労働省職業安定業務統計2017年6月
・厚生労働省編職業分類上位30種
・常勤(フルタイム(パートを除く))
・関東6都県の合算値:[求人数]342,527件

 

就職しやすい職業(求人倍率が高い)

求人倍率順:上位15位まで(職業分類)

※求人倍率がより高い順に表示(求職数÷求人数×100)
その職種に就きたい人より、その職種の求人数の方が多い順

順位 職業分類 主な職種 求人数 求職数 求人
倍率
1 建設躯体工事の職業 型枠大工、建築とび工、土木鉄筋工、建築鉄筋工 5,186 465 11.15
2 土木の職業 土木作業員、舗装作業員、鉄道路線、ダム・トンネル掘削作業員 7,717 1,367 5.65
3 建築・土木・測量技術者等 建築設計、建築工事監督、土木設計、土木工事監督、測量士 14,866 3,014 4.93
4 建設の職業 大工、ブロック積工、タイル張工、左官、配管工、内装工、防水工など 7,713 1,626 4.74
5 生活衛生サービス 理容師、美容師、エステティシャン、ネイリスト、着付け 7,506 1,706 4.40
6 接客・給仕の職業 飲食店、旅館・ホテル、配膳、パチンコホール、ゲームセンター、コンパニオン 16,179 4,303 3.76
7 介護サービスの職業 施設介護、訪問介護、入浴介助員、ケアワーカー、ホームヘルパー 27,573 7,550 3.65
8 飲食物調理の職業 調理人、調理人助手、見習い 20,295 5,913 3.43
9 電気工事の職業 電気工事作業員、送電、通信架線、通信装置据付・保守作業員 4,168 1,289 3.23
10 機械整備・修理の職業 機械、電気、自動車、鉄道、船舶、計測器、計測器、時計、自転車整備 6,278 2,077 3.02
11 保健師、助産師等 保健師、助産師、看護師、准看護師 12,754 4,307 2.96
12 情報処理・通信技術者 SE、ソフトウェア開発、システム運用、通信ネットワーク 26,669 9,196 2.90
13 社会福祉の専門的職業 保育士、介護福祉専門員、医療ソーシャルワーカー、福祉相談・指導員 17,682 6,143 2.88
14 自動車運転の職業 バス、タクシー、トラック運転手、トレーラー、ダンプカー 20,130 7,318 2.75
15 医療技術者 放射線、臨床、検査技師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生・技工士 5,170 1,929 2.68

上記表は就職しやすい職業(職種)です。
求人は多く出ているのに、その求人を希望している人が少ない職業になります。

上位1位から4位までを建築土木関連で占めています。
最近この建築土木関連はいつも人手不足です。完全な肉体労働になるために希望する人も限られています。

他、求人数で多いところは接客・介護、飲食、医療分野です。

保育士や介護職員不足と言われていますが、まさにデータとして表されています。
資格や経験があれば、上記職業に就くのは難しくはありません。

また保育士は今後給与面での改善(処遇改善費)が見込まれます。

就職しにくい職業(求人倍率が低い)

求人倍率順:下位15位まで(職業分類)

※求人倍率がより低い順に表示(求職数÷求人数×100)
その職種に就きたい人が、その職種に対する求人数より多い順

順位 職業分類 主な職種 求人数 求職数 求人
倍率
1 その他の運搬等の職業 軽作業員(工場、建設、小売、病院、食堂など)、選別作業員 4,011 17,053 0.24
2 一般事務員 総務、人事、企画、受付案内、秘書、コールセンタ、テレアポ、医療介護事務 24,797 90,021 0.28
3 その他の専門的職業 塾講師、カウンセラー、行政書士、学芸員など 5,347 11,366 0.47
4 会計事務員 経理事務、銀行窓口、現金出納事務 4,150 8,324 0.50
5 営業・販売関連事務員 営業事務、貿易事務、販売事務、金融・保険事務、派遣コーディネーター 6,486 9,476 0.68
6 機械組立の職業 一般機械器具組立(電気、電子、半導体、基盤)、自動車組立など 3,862 5,590 0.69
7 清掃の職業 ビル・建物清掃、ハウスクリーニング、道路公園、ごみ収集 4,668 4,317 1.08
8 製品製造・加工処理 食品、パン菓子、食肉加工、弁当惣菜製造、紡織・衣服・木材・印刷製造 7,556 6,574 1.15
9 運搬の職業 荷物配達員、倉庫作業員、積卸、引越作業員、郵便、新聞配達 9,780 8,041 1.22
10 定置・建設機械運転 クレーン運転、ボイラー、玉掛作業員、建築機械運転工 4,075 2,859 1.43
11 その他の保健医療 栄養士、鍼灸師、あん摩マッサージ、柔道整復師、義肢装具士 4,474 2,868 1.56
12 営業の職業 機械、通信、金融、不動産、医薬品、化学、飲料などの営業職 27,897 17,128 1.63
13 開発技術者 電気・電子・機械・自動車・化学・食品開発 5,150 2,947 1.75
14 商品販売の職業 商品販売(衣類、化粧品、スーパー、コンビニ、百貨店)、レジ 22,945 11,563 1.98
15 金属材料製造等 金属プレス、板金、溶接、加工、工作、鍛造、鋳物 7,443 3,460 2.15

上記表は希望者に対して求人が少ない職業です。

1位は軽作業。軽作業は希望者が多いですがその割には求人が少ない傾向にあります。
軽作業の特徴として日雇いや週雇いの求人も多いので、ハローワークに求人を出さないために求人が少ないというのもあります。
(ハローワークには日払いや週払いの求人はほとんどありません)

2番目は一般事務職です。事務職を希望する女性は多いです。そのため3人に1人しか希望の事務職についけないことになります。
4番目も会計事務、5番目も営業事務になるため、やはり事務職は全般的に厳しいと言えるでしょう。この傾向はここ10年以上変わりありません。

求人が多い職業一覧

※求人数が多い上位30位まで

求人数:上位30位(職業分類)

順位 職業分類 主な職種 求人数 求職数 求人
倍率
1 営業の職業 機械、通信、金融、不動産、医薬品、化学、飲料などの営業職 27,897 17,128 1.63
2 介護サービスの職業 施設介護、訪問介護、入浴介助員、ケアワーカー、ホームヘルパー 27,573 7,550 3.65
3 情報処理・通信技術者 SE、ソフトウェア開発、システム運用、通信ネットワーク 26,669 9,196 2.90
4 一般事務員 総務、人事、企画、受付案内、秘書、コールセンタ、テレアポ、医療介護事務 24,797 90,021 0.28
5 商品販売の職業 商品販売(衣類、化粧品、スーパー、コンビニ、百貨店)、レジ 22,945 11,563 1.98
6 飲食物調理の職業 調理人、調理人助手、見習い 20,295 5,913 3.43
7 自動車運転の職業 バス、タクシー、トラック運転手、トレーラー、ダンプカー 20,130 7,318 2.75
8 社会福祉の専門的職業 保育士、介護福祉専門員、医療ソーシャルワーカー、福祉相談・指導員 17,682 6,143 2.88
9 接客・給仕の職業 飲食店、旅館・ホテル、配膳、パチンコホール、ゲームセンター、コンパニオン 16,179 4,303 3.76
10 建築・土木・測量技術者等 建築設計、建築工事監督、土木設計、土木工事監督、測量士 14,866 3,014 4.93
11 保健師、助産師等 保健師、助産師、看護師、准看護師 12,754 4,307 2.96
12 運搬の職業 荷物配達員、倉庫作業員、積卸、引越作業員、郵便、新聞配達 9,780 8,041 1.22
13 土木の職業 土木作業員、舗装作業員、鉄道路線、ダム・トンネル掘削作業員 7,717 1,367 5.65
14 建設の職業 大工、ブロック積工、タイル張工、左官、配管工、内装工、防水工など 7,713 1,626 4.74
15 製品製造・加工処理 食品、パン菓子、食肉加工、弁当惣菜製造、紡織・衣服・木材・印刷製造 7,556 6,574 1.15
16 生活衛生サービス 理容師、美容師、エステティシャン、ネイリスト、着付け 7,506 1,706 4.40
17 金属材料製造等 金属プレス、板金、溶接、加工、工作、鍛造、鋳物 7,443 3,460 2.15
18 営業・販売関連事務員 営業事務、貿易事務、販売事務、金融・保険事務、派遣コーディネーター 6,486 9,476 0.68
19 機械整備・修理の職業 機械、電気、自動車、鉄道、船舶、計測器、計測器、時計、自転車整備 6,278 2,077 3.02
20 その他の専門的職業 塾講師、カウンセラー、行政書士、学芸員など 5,347 11,366 0.47
21 建設躯体工事の職業 型枠大工、建築とび工、土木鉄筋工、建築鉄筋工 5,186 465 11.15
22 医療技術者 放射線、臨床、検査技師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生・技工士 5,170 1,929 2.68
23 開発技術者 電気・電子・機械・自動車・化学・食品開発 5,150 2,947 1.75
24 清掃の職業 ビル・建物清掃、ハウスクリーニング、道路公園、ごみ収集 4,668 4,317 1.08
25 その他の保健医療 栄養士、鍼灸師、あん摩マッサージ、柔道整復師、義肢装具士 4,474 2,868 1.56
26 電気工事の職業 電気工事作業員、送電、通信架線、通信装置据付・保守作業員 4,168 1,289 3.23
27 会計事務員 経理事務、銀行窓口、現金出納事務 4,150 8,324 0.50
28 定置・建設機械運転 クレーン運転、ボイラー、玉掛作業員、建築機械運転工 4,075 2,859 1.43
29 その他の運搬等の職業 軽作業員(工場、建設、小売、病院、食堂など)、選別作業員 4,011 17,053 0.24
30 機械組立の職業 一般機械器具組立(電気、電子、半導体、基盤)、自動車組立など 3,862 5,590 0.69

今一番多く出ている求人(仕事)が営業職です。営業はさまざまな業種で必要になるため幅広く募集を行なっています。次に多いのか介護サービスで、ここ数年介護職員の需要は高い傾向が続いています。

IT系も人手不足と言われて言われていますが、その理由としてはIT化の加速があげられます。どの業界にとっても今後は更にIT技術を利用して効率を高める必要があるため需要はあります。

ですがIT技術者のイメージ(仕事がハード、離職率が高い、安い賃金)は良くありません。特に若い人の希望が少ないのです。

事務職は求人も多いですが、それ以上に事務職を求めている人が大勢います。

まとめ

今人手不足とされている業種は、数字が示している通り、建築土木、介護、保育、情報、医療、接客サービス業です。この業種は比較的就職しやすいと言えます。

特に介護はこの先20年程がピークになるため人手不足は深刻です。
建築土木現場では外国人が多く見られますが、介護業界もこれから増えてくる可能性はあります。後は言葉の問題をどうするかです。

逆に就職しずらい職種としては事務職全般です。これは需給バランスによるもので、女性の多くが事務職を希望しているために求人倍率が低くなっています。
さらに給与が安くても人が集まる状況なので待遇も期待できません。

今回の調査結果はあくまでも公表されているデータを分析した内容です。実際には当然「年齢や性別」で状況は変わるでしょう。
何もスキルや資格を身に付けていないと、過当競争に巻き込まれてしまい、結局はやりたい仕事ではなく、妥協して自分でも出来る仕事になってしまいます。

職業訓練等に通って必要な資格を取得するのもよい方法かもしれません。
【参考記事】一番人気のある職業訓練コースこれ!!

 

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