デュアルシステムとは
「働きながら学ぶ、学びながら働く」をコンセプトにした新しい職業訓練システムで、通常の職業訓練に企業実習がプラスされた職業訓練です。
もともとはドイツの教育システムで、学校教育の中に就労と実務経験を取り入れているのが特徴です。厚生労働省と文部科学省が中心となり、平成16年度より法改正を行い始まりました。日本版デュアルシステムとも呼びます。
実際の企業で働ける
デュアルシステムは、デュアルコース、略してデュアルとも呼ばれることがあります。
通常の職業訓練の場合は、座学と実習が行われます。介護等訓練の場合は1週間介護施設に見学にいくこともありますが、通常は同じ訓練校の中で受講します。
ですが、このデュアルコースの場合は通常の訓練にプラスして実際の企業で実習を行います。
このデュアルコースについては、年齢制限がある場合があります。
その理由としては、主に社会人経験が少ない若者を実際の職場体験を通じて経験してもらおうというのが趣旨だからです。
ですが、今は年齢制限をもうけず40代、50代の方でもデュアルコースを受講しています。
ハローワークで申し込めるデュアルシステムには、以下のような訓練コースがあります。
- 医療事務科
- オフィスソフトITマスター科
- パソコンエキスパート科
- パソコン実務実践科
- オフィス&Webサイト制作科
- Webサイトデザイン科
- Webクリエータ実践科
- 介護ヘルパー初任者研修科
- 経理実務総合科
- 企業会計事務科
- 不動産ビジネス総合科
- トラベルビジネス科
- その他
※開催時期によってはデュアルコースがない場合もあります。
※東京の場合は、委託訓練活用型デュアルシステムという名称で実施しています。
コース内容ですが、パソコンから、Web、介護、経理、不動産、トラベル・・・と様々です。
通常の職業訓練では学べない、実際の仕事経験を実習で学ぶことができます。
特に仕事経験のない若年者にとって、デュアルシステムとは有益な職業訓練ではないでしょうか。
良いことずくめのデュアルシステムですが、過度の期待は禁物です。
実際の企業実習ですが、その職場でのメイン仕事を任せられるのではありません。
あくまでもサブ的な仕事が中心となります。誰でもできる簡単な仕事です。
電話対応であったり、簡単な書類作成であったり、書類整理であったり。
これではとても実務経験とは言えませんが、これから進むであろう職場の雰囲気を感じられる場は重要です。実習先の先輩方の働き方を見ることができるだけでも勉強になるのではないでしょうか。
簿記のコースの場合は、会計事務所や経理事務の職場になりますし、人事総務の場合は、社会保険労務士や実際の人事総務での仕事になります。
都道府県によって、時期によって開催してないことも多いですし、コース自体も少ないですが、もし運良く募集しているようなら検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、企業実習中はアルバイト代は支給されません。