このコースは、キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーを目指す方が対象のコースです。
以前は「キャリアコンサルタント養成科」等あったのですが、「キャリアコンサルタント」という名称が有資格者のみ使うことができる名称独占の国家資格になったため、キャリアサポーターという名称を用いる訓練校が多いようです。
このコースでは、単に転職・求職活動支援のテクニックを学ぶだけでなく、相談者の成長をサポートするための知識やスキルを学びます。
具体的には個人が自らキャリア・マネジメントにより自立・自律できるように支援し、仕事のやりがいや意欲面も重視した支援ができるキャリアサポーターの養成を目的としています。
更に若年者支援、女性支援、障がい者支援など、キャリア支援が高まっている分野についても学び、定年後のキャリア、生活困難者への支援などに活かせる知識も習得する事で訓練終了後の活躍の幅を広げます。
■目次
対象者
通算でおおむね3年以上、何らかの仕事経験があると望ましい
訓練内容
■例1.キャリアサポーター養成科(4ヶ月コース)
企業内の人事労務スタッフや人材ビジネスのコーディネーター(関連業務スタッフ)に就くための、法規を始めとした人事労務面での知識、および社内人材や派遣・紹介人材と面談しキャリア支援をする際の実技スキルを基礎的レベルで身につける。
また、人とかかわる仕事全般(例えば接客・販売職や介護職、営業職など)で活かせるカウンセリングスキルを身につける。
科目 | 科目の内容 | 時間 | |
---|---|---|---|
学科 | 職業能力基礎講習 | 自己理解、仕事理解、職業意識、職場内のコミュニケーション、聴き方・話し方、ビジネスマナー | 32 |
安全衛生 | 安全衛生の必要性、VDT作業の留意点(適した作業環境など) | 2 | |
キャリア・コンサルティング概論 | キャリア形成支援の必要性、キャリア・コンサルティングの役割の理解、キャリア・コンサルティングを担う者の活動範囲と義務 | 15 | |
相談業務の基礎理論 | 主要なカウンセリング理論の概要、相談業務を行うにあたって必要となる基礎的な心理学の知識(発達・認知・学習・記憶・動機付け等) | 20 | |
キャリア・コンサルティングの基礎理論 | キャリア発達理論、職業指導理論、職業選択理論等のキャリア開発に関する代表的な理論の概要(基礎知識) | 25 | |
相談実施に係る基礎知識 | 自己理解の重要性と支援方法、仕事・職業情報に関する知識と入手方法、職業能力開発の知識、職業キャリアの発達とライフステージや転機に関する理解、相談者の類型的・個人的特性、労働市場に関する理解 | 40 | |
人事・労務管理概論 | 企業における雇用管理の仕組み、人事労務施策・制度の動向と課題、企業内キャリア形成支援、能力評価基準、ワークライフバランス、労働関係法規及び社会保障制度の基礎知識、人事企画、労使関係の基礎知識 | 45 | |
メンタルヘルス・マネージメント | 職場におけるメンタルヘルスの知識、ストレス理論、職場のメンタルヘルスケア、休職・復職の流れ、職場での相談による支援、メンタルヘルスケア計画、教育研修 | 30 | |
人材マネージメント概論 | 企業における組織と人事制度、目標管理、教育研修、キャリア発達支援、人材戦略と人材業界 | 35 | |
実技 | 対人支援スキル演習 | 基礎的コミュニケーション、支援者としてのかかわり方、基礎的な傾聴スキル、リーダーシップ、グループ支援スキル | 25 |
傾聴スキル演習 | ロジャースの理論と技法、自己一致、無条件の肯定的関心、共感的理解、関係の構築・ラポール形成 | 25 | |
キャリア・コンサルティングの進め方 | 相談場面の設定、「自己理解」の支援、「仕事理解」の支援、「意志決定」の支援、「方策の実行」の支援 | 25 | |
キャリア・コンサルティング演習 | キャリア開発に関する支援の方法、キャリア・プランの作成支援の方法、具体的な目標設定への支援の方法、ライフプランニングの作成支援の方法、新たな仕事への適応、相談過程の総括、事例検討 | 50 | |
求職活動指導スキル演習 | 自己理解、職業理解の活用方法、求職情報の探索・活用方法、応募書類のチェック、面接対策の指導スキル | 25 | |
その他 | 職業人講話 | 6 | |
総訓練時間:400時間 |
主な取得可能資格
・メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種(ラインケアコース)
・メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種(セルフケアコース)
※任意受験
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得していただくものです。
Ⅱ種については、「部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる」ことが到達目標
Ⅲ種については、「自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる」ことが到達目標
上記、メンタルヘルス・マネジメント検定試験 より抜粋
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種(ラインケアコース)
受験者(人) | 実受験者(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | |
---|---|---|---|---|
2015年3月 | 8,824 | 7,760 | 4,126 | 53.2 |
2015年11月 | 8,560 | 7,620 | 3,711 | 48.7 |
2016年3月 | 10,514 | 9,165 | 5,003 | 54.6 |
2016年11月 | 10,720 | 9,601 | 4,733 | 49.3 |
2017年3月 | 11,001 | 9,607 | 6,521 | 67.9 |
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種(セルフケアコース)
受験者(人) | 実受験者(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | |
---|---|---|---|---|
2015年3月 | 4,371 | 3,899 | 3,118 | 80.0 |
2015年11月 | 4,510 | 4,081 | 3,200 | 78.4 |
2016年3月 | 4,925 | 4,408 | 3,627 | 82.3 |
2016年11月 | 4,952 | 4,473 | 3,495 | 78.1 |
2017年3月 | 4,843 | 4,209 | 3,367 | 80.0 |
主の就職先の業種、職種
人材ビジネス、学校教育現場、公務、医療・福祉、人事労務等
キャリア・コンサルティングの具体的な技能を身につけることによって、人とかかわる仕事全般に活かせるカウンセリングスキルを得ることができます。
企業の人事労務スタッフとして社員のキャリア形成を支援したり、人材ビジネスの分野で就職支援スタッフとして活躍することができます。
まとめ
このコースでは、多くの時間ロールプレイの実技を行います。
ロールプレイとは3人一組(相談役、キャリア・コンサルタント役、観察役)になり、実際に困りごとや職業に関する相談を行います。
そこには必ず観察役もいますので、良かった点や改善点等も客観的な目で評価を受けることができます。
このロールプレイを繰り返すことで、キャリア・コンサルタントとしての実力が徐々に上がっていくのです。
人は「信頼関係」がないと本音を話してもらえない場合もあります。
その信頼関係づくりから学ぶことができるので、コミュニケーションスキルの向上が見込め、接客や販売職、介護職、営業等にも役に立つスキルを学ぶことができます。