DTPとは(Desktop publishing、デスクトップパブリッシング)を略したもので、「机上出版」や「卓上出版」とも言われています。
DTPの主な役割は、パソコンでデータを作成し、実際に印刷物を作成することです。
パソコンがなかった時代は、印刷部を制作する際に、版下の作成や製版、印刷などのいくつもある工程をそれぞれの専門家が手分けをして行っていました。
しかし、DTPではこの作業を全てパソコン上で行うため、それほど人数をかけず気軽に行えるようになったのです。
それらの作業を行う人を、DTPデザイナーやDTPオペレーターなどと呼ばれています。
■目次
訓練内容
■例.DTPデザイン科(6ヶ月コース)
※求職者支援訓練
出版・広告・印刷・デザインなどの業種で活躍できる人材を養成するための、しっかり技術を習得する。
デザインの学習、印刷物、販促物などの制作、入稿までに必要な知識、技術をさまざまな課題制作を得て習得する。
科目 | 科目の内容 | 時間 | |
---|---|---|---|
学科 | 入校式・オリエンテーション/修了式 | 入校式・訓練の概要説明等(2H) 修了式・書類記入(2H) | |
就職支援 | 履歴書・職務経歴書の書き方、面接のマナー、ジョブ・カード作成指導 | 18 | |
安全衛生 | VDT作業・安全衛生の必要性 | 6 | |
デザイン基礎 | デザインとは、色の役割と効果、レイアウトについて、書体とフォント、タイポグラフィ | 6 | |
プランニング概論 | マーケティングの手法、企画立案、情報収集と分析、著作権について | 12 | |
プリプレス概論 | 印刷基礎(フロー・解析度・用紙種別・データ種別・入稿方法)、版下作成、組版、製版 | 12 | |
実技 | ビジネス文書作成実習 | 文書の作成と編集、書式の設定、ファイル管理(保存、削除、移動、コピー)・オブジェクトの活用、表の作成、段落書式、印刷形式、図の挿入,(使用ソフト:Word2010) | 48 |
表計算作成実習 | ワークシートの入力・設定・編集、表示形式、フォントと罫線の設定、計算式・関数・配列数式、数値管理、データ抽出・処理 、グラフ作成、ページレイアウト設定 (使用ソフト:Excel2010) | 48 | |
デザイン制作基礎 | 動作環境の導入と基本設定(6H)、テキスト入力、ペンツール・文字編集・パス描画・オブジェクト作成(30H)、ロゴのトレース操作、画像の配置・データの書き出し(30H),(使用ソフト:Illustrator) | 66 | |
デザイン制作実習 | コピー作成・カンプ作成・文字組・WEBパーツ作成(36H)、文字・プレーンテキスト・イラスト・フライヤー・ポスターの作成(36H),(使用ソフト:Illustrator,InDesign) | 72 | |
画像加工基礎 | 動作環境の導入と基本設定(6H)、画像サイズの変更・色調補正・合成と修正・画像の書き出し、タイトル文字の作成などのレタッチ(54H) | 60 | |
画像加工実習 | 実際に撮影した写真を使っての画像処理と加工(30H)、トリミング・解像度・リサイズ・補正・合成加工・トーン(36H),(使用ソフト:Photoshop,InDesign) | 66 | |
サイト制作活用基礎 | HTMLとCSS(スタイルシート)の仕組み、基本操作、Web標準に準拠したコーディング(30H)、SEO(検索エンジン最適化)施策(12H)、ユーザビリティ・アクセシビリティについて(18H)、マルチデバイス対応・レスポンシブデザイン(36H) (使用ソフト:Illustrator,Photoshop,Dreamweaver) | 96 | |
総合デザイン実習 | デザイン・ファイル管理・デザインソフトによる制作と確認(24H)、組版レイアウトのルール(30H)、入稿方法の確認(24H)、プレゼンテーション(18H)、(使用ソフト:Illustrator,Photoshop,InDesign,Dreamweaver) | 96 | |
その他 | 職業人講話 | 6 | |
訓練総時間合計612時間(学科:54時間 実技:552時間 職業人講話:6時間) |
◆使用ソフト
InDesign、Illustrator、Photoshop等のツールを利用して実務に必要な知識を習得。
これらのソフトはDTP三種の神器とも呼ばれています。
■Adobe Photoshop
写真を加工することに適したソフト。画像編集ソフトとして高い機能を持つ。
プロの方も使う評価の高いソフトウェアです。
■Adobe Illustrator
デザインする描画ツールとして、印刷業界などあらゆる分野で使用されています。
特にDTP業界においてはチラシや小冊子等の印刷物の制作ソフトとしては標準で使われています。特徴としては、画像を劣化させる事なく拡大や縮小、変形が可能であることから、イラストやロゴの作成に適しています。
■Adobe Indesign
業界の書籍作成はこのソフトが使われる。DTPレイアウトソフト。
ページ数の多い冊子や書籍のレイアウトデザインに主に使われる。同メーカーのPhotoshopやIllustratorとの互換性が良いため、広く使われています。
※Adobe製品は上記を含め無料体験版(7日間)をダウンロードして使うこともできます。
どのような製品なのか是非試してみてください。また職業訓練校在籍中はAdobe製品を安く購入することもできます。
・Adobe無料体験版のページ (MAC&Windows)
主な取得可能資格
・DTP検定
・DTPエキスパート
主の就職先の業種、職種
印刷、製版、印刷会社、DTP制作会社、WEB制作会社等
ロゴやフライヤーのデザインからスーパーのチラシ、不動産の間取り、WEBデザインなど幅広い。
まとめ
DTPオペレーターとはDTPソフトを使いこなし、印刷できる状態にまで仕上げる人です。
そのため、Adobeソフト(Photoshop、Illustrator、Indesign)は必須です。
紙媒体は斜陽産業であることから、徐々にWEB媒体へシフトしています。
職業訓練でもDTPと併せてWEBデザインを学ぶコースが増えています。
DTP、WEBデザイン共にセンスが必要です。ただ単に素材を並べて絵にするなら誰でもできます。
実際に採用面接で問われるのは実際の作品です。職業訓練中、いかに多くの作品を制作するかが大事です。
「上手いか下手か」というよりも、その人のデザインセンスが問われる場合もあります。
DTPの仕事は、簡単なチラシ作成から商品デザインまで多岐にわたります。